2001年1月6日

日曜日になると早起きする子供みたいに目が覚めた。昨日よりずっと早い、6時45分。目覚ましは9時にセットしていた。早く起きてはみたものの、焦ってここを出ても重い荷物をもってブラブラしなきゃならないだけだし…そう思うと何もする気など起きるはずもなく、

2£でネットカフェを出たり入ったりしながら、おなかが空けば昨日買ったサンドウィッチを食べて時間を潰した。今ポケットの中には37ペンス。

駅には13時前に到着。列車は15分発。時間潰しがてらに朝からの日記を付ける、バックパックは軽く座るのに丁度いい。ホームには人影がまばら、同じ列車に乗る人は少なそう。

しばらくすると列車がやって来た。前の4両だけがGatwickに停まるらしい。車両には乗降口が幾つも付いていた、扉の位置はホームより高い。

日本じゃ見た事がなかったスタイル、古そうな車両でなんだか趣きがあって良いなと思った。日記をカバンにしまってステップを上がる、扉も手動。車両に乗り込んむと左右両サイドにはベンチ型のシート、それぞれ三人掛け。真ん中に通路を挟んで反対側には二人掛けのシートが同じように向かい合ってる。列車好きってワケじゃ無いから断言は出来ないけど、乗降口が席の真横にシートが付いてるのは日本では見かけないと思う。

出発まで目の前にも隣にも誰も座らなかった、同じ車両に乗り込んだ人も多分数人。

ロンドンを出た頃気持ち良く晴れ渡っていた空は、いつの間にか厚い雲で覆われていた。タイムテーブル通りなら空港には14時ちょうどに着く。迷わずチケットの受け取りが出来れば良いのだけれど…少々、不安。

スムースに、とはいかなかったが、飛行機のチケットの受け渡し、チェックインも何とか済んだ。チェックインの時は、日本を出るとき同様に少々もたついた(理由は帰りのチケットが無いため)が、なんとか行けた。やはり帰りのチケットがないと、どこへ行くのもチェックが厳しい。今回、僕は全てのチケットがsingle(one-way)だ。ポルトガルの入国はすんなり行ってくれると嬉しい。

Gatwickに来るのは足掛け6年ぶり、前回はここから友人とイタリアに向かった時以来だ。前にきた時の事をあまり覚えていないから、まったく知らない所に来たみたい。ヒースローよりも小さいけれど、どこか小綺麗な印象。主に中東やヨーロッパに向けての便を扱う空港だからか、日本人どころか、アジア系の人を殆ど目にしない。

ここに来るまで確信が持てなかった目的地は、Faroと分かった。ポルトガルの南にあるビーチ、最初の一週間はこの辺りを拠点にして動くことにしよう。

スペインとの国境にも近いから、機会があればスペイン側にも行ってみたい。到着した後の事を想像すると気分が高揚する。でもトラブルには十分気を付けないと、と気分も引き締めた。

ボーディングゲートは55のB。いつもぎりぎりの行動でひやひやの連続だけど、今回はそんな事のないようにボーディングが可能になった時点ですぐに中に入った。出発の予定時刻まで、あと30分。おなかも空いたし、喉も乾いたけれど、お金が無いから何もできない。飛行機に乗れば、何か口にできるだろうか。

ぱっと周りを見たところ、やはりアジア系の人間は僕だけだった。なぜかそんな事ばかり気になる。

窓の向こうにはオレンジ色に輝く空と雨雲、雲間に広がる眼下には広大な田園風景。薄紫の空に浮かぶ月はどこか気怠げ。離陸してしばらくの大地と空のコントラストはいつみても飽きない。

飛行機はジャンボジェットではなく、小型のものだった。通路を真ん中に挟み3列シートが二つで最後尾まで25列。簡単に計算すると150人乗りだ(合ってるかはわからないけれど)。僕は23列目の窓際、隣の二つは誰も座ってはいない。

フライトは2時間30分。向こうに着いたらもう19時前。すぐにホテルを探してチェックインしないとなあ…。空港から街まではどうやって出れば良いんだろう?何も情報が無い。とりあえずトラブルが起きない事だけを祈る、多少いろんな事に手間取っても良いから。

機内食は、サラダに、パン、そしてペンネとチキンのローストを粒マスタードとクリームソースで和えたもの。味はまあまあで、極甘なケーキ以外は全ていただいた。満腹になってとても満足した。ロンドンに来て以来、カレーを頂いた事を除けば殆どサンドウィッチばかりで食事らしい食事をしたのは久し振りだなと思った。

ポルトガルは物価が安く食事も美味いという、美味しい物に安くありつけるのは大歓迎。ロンドンとはまるで逆だと思った。早く向こうに着けばいいのにと、気が逸る。

東の空はすっかり真っ暗になっているけれど、西の空を見るとオレンジ色した空がわずかに夕日の名残を感じさせる。眼下には幾つか街の光が見える。時間からしてスペインの上空を飛んでいるのかな。今は18時前、到着まで、後30分。

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